目の前にある理想像を目標に

「私、患者さまとお話しするのが大好きなんです。お子さまからお年寄りまで、学校のことでも趣味の話題でも何でもOKです。ユニットを倒す間のほんの20秒ほども惜しんで、ついつい話しかけてしまいます」と朗らかに笑うK歯科衛生士は、2019年４月に新卒で入職した新人です。約10カ月間、勤務してみた感想は、「想像していた以上に忙しい！」。それでも、「仕事が楽しいから苦になりません」と、毎日が充実している様子です。

忙しい理由は、担当する患者さま一人ひとりの口腔の状態をしっかりと把握し、思いを知り、今後どうしていくべきかを一緒に考えるためにたくさんの時間が必要だから。「歯科医師との情報共有も重要ですし、やらなければならないことがいっぱいあるので、いつも頭をフル回転させています」と話します。

現在の主な仕事は、退職や産休で不在となった先輩歯科衛生士から引き継いだ約20名の患者さまのメンテナンスと、定期健診後のクリーニングなど。「今年度中に自分の体に基本を叩き込みたい」とはりきっています。

こんなK歯科衛生士がこの道に進んだきっかけは、お母さんの存在です。
「母は私が中学生の頃に歯科助手になりました。職場での出来事や、新しく身につけたことなどを楽しそうに話す母を見ているうちに、興味を持ったんです。そして、せっかくなら国家資格をとりたい。歯科衛生士になって、より身近な立場で患者さまをサポートしたいと考えるようになりました。母の後押しも大きかったです」

こうして自宅から通える大学の短期大学部歯科衛生科に進学。３年生のときの実習でベル歯科医院に出会いました。「歯科衛生士専門のブースがあって、それぞれが独立して活躍している姿がかっこいいなあって。大きな歯科医院なのに院内の連携がとてもスムーズで、いつもお互いに助け合っているのも心強く思いました」と当時の印象を語ります。１カ月間の実習が終わる頃には「ここで働きたい」という気持ちが固まり、後に面接を受け、即日採用となりました。

入職後しばらくはメンターのもとで学びながら仕事をし、夏頃には自立の一歩を踏み出しました。「やっと少し気持ちに余裕が出てきました」という現在の課題は、説明力のアップです。「こちらから話すだけでなく、ときには患者さまに質問を投げかけてみるとお互いの理解が深まる」などといった鈴木彰院長からのアドバイスや、先輩たちの実践を参考に、試行錯誤を重ねています。

目指す歯科衛生士像はごく身近にあります。職歴27年の統括リーダー、T.K歯科衛生士を目標としているのです。「技術もコミュニケーション力も抜群で、気配り目配りが行き届いているところがすごい」とK歯科衛生士。「目標が目の前にあるのは幸せです。高い目標ですが、少しでも近づけるように頑張ります」と目を輝かせています。

2019年12月インタビュー